あいさつするにも人を選ぶという昨今。人間関係の選り好みが目立つ
▼本紙教育欄で連載を執筆する正司昌子さん。こうした風潮の中、親が子にあいさつを教えるには「親自身が、自分の気に入った人にはあいさつするけど、気に入らない人にはあいさつをしない、といった姿を子どもに見せないこと」が大切と指摘する
▼気に入った相手だと気疲れもせず、確かに自分が楽でいられる。だが、気心の知れた人間関係に安住していたのでは、交友の幅が狭くなり、新たな出会いの機会も減りがち。人間として磨き合う場も限られてしまう
▼法華経では一切衆生に仏性があるからと、すべての人々を礼拝し軽んじなかった不軽菩薩の実践が説かれている。目の前にいる人の可能性を尊敬し、ありのままを受け入れることが、実は自身の成長にもつながっていく。相手を受容する方向に心が向くと、それまで短所だと思っていたことも、批判的ではなく温かな目で見守る感性がわいてくる
▼一面的に判断していた時には分からなかった長所さえ見えてくる。この気づきにこそ、境涯革命の第一歩がある。相手ではない。自分が変わることだ。自分しか出会うことのできない“一人”がいる。その気持ちを忘れずにいたい。(悠)